2012年3月2日金曜日

野田首相 沖縄初訪問 基地集中の差別構造推進者が首相の座にある不幸

野田首相が沖縄に初めて訪問した。

・・・沖縄の民意を顧みず、基地集中の差別構造を維持・推進する政治家が首相の座にあるのは不幸としか言いようがない。
・・・首相は「抑止力を維持する」とも述べた。海兵隊が沖縄にいなければ抑止力が弱まると主張する見解を無批判に受け入れている。これこそ最大の誤りだ。(琉球新報)


・・・首相は沖縄訪問二日前、移設先を辺野古とする理由を「沖縄の地理的特性を考えると、そこに存在する海兵隊の抑止力維持はとても大事」と述べた。
しかし、海兵隊の沖縄駐留が抑止力にならないことは、米国の著名な学者らが県外移駐を提唱していることからもすでに明らかだ。
そればかりか、海兵隊のグアム先行移駐で合意した際の日米共同発表では、海兵隊を西太平洋地域に分散配置する理由に、攻撃に耐えてなお機能を維持する、運用面での「抗堪(こうたん)性」を挙げている。
海兵隊にとって、軍事力の増強著しい中国に近い沖縄が万が一攻撃されても、分散配置しておけば対応は可能ということだろう。この場合、地理的特性はむしろ脆弱(ぜいじゃく)性として認識されている。
日本政府はなぜ米政府の戦略転換から目を背けて県内移設にこだわり続けるのか。理解に苦しむ。
首相はすでに破綻した海兵隊抑止力論に固執せず、米政府に対して国外・県外移設の提起を決断すべきだ。首相の沖縄訪問がその転機となるのなら救いである。(東京)


<各紙社説>
琉球新報)野田首相初来県 許されぬ差別構造の放置(2/28)
沖縄タイムス)[野田首相初来県]上空から何を見たのか(2/28)
琉球新)野田首相に望む 「普天間」は県外に/民意踏まえて政策変更を(2/26)
沖縄タイムス)[野田首相初来県]混乱の元凶を直視せよ(2/26)
---------------------------------
朝日)首相沖縄訪問―負担軽減を早く確実に(2/28)
読売)首相沖縄訪問 関係改善テコに普天間進展を(2/28)
毎日)首相の沖縄訪問 「辺野古が唯一」は無策(2/28)
日経)「普天間」でもっと手を尽くせ (2/28)
産経)首相の沖縄入り 普天間移設さらに努力を(2/28)
東京)首相沖縄初訪問 謝罪では普天間返らぬ(2/28)